製品紹介

高塩基性塩化アルミニウム
(アルファイン)

性質

  • アルミニウムイオンは、水溶液中ではアルミニウム原子に6個のH2O分子が正八面体に配位したアコ錯体 [Al(OH2)6]3+として存在しています。
    「アルファイン」中のアルミニウムは、この配位水の解離により、OHを架橋として数個のアルミニウムが重縮合した一種の高分子を形成しており、多核錯体として存在します。
    塩基性塩化アルミニウムの一般式は[Al2(OH)nCl6-n]m (0<n<6 , m≦10)で示されます。
    塩基度はn/6×100(%)で表され、「アルファイン」は4<n≦5の範囲で塩基度を任意にコントロールしております。
  • アルミニウムイオンの加水分解機構は、アルミニウムに配位しているH2Oがプロトリシス現象を起こしてH+を錯基外に放出してOH基に変化し、これが隣接するアルミニウムの水分子との間に水素結合を作り、次いで水分子を失って-OH-を配したアルミニウムが2~3集まって多核錯体を形成します。

[Al(OH2)6]3+ + OH- → [Al(OH)(OH2)5]2+ + H2O

[Al(OH)(OH2)5]2+ + [Al(OH)(OH2)5]2+ → [Al2(OH)2(OH2)8]4+ + 2H2O

[Al2(OH)2(OH2)8]4+ + OH- → [Al2(OH)3(OH2)6]3+ + 2H2O

加水分解が更に進むと最終的に分子量の大きい重合体の水酸化物を生成します。 この水酸化物は一般的にAl(OH)3と表されますが、その組成は一定ではなく、Al3+がOH-でつなぎ合わされ、多くの水分子が配位したゼリー状沈殿物です。

代表的特性値

  アルファイン83
外観 無色透明の液体
Al2O3 % 23.5±0.5
塩基度 % 83.5±1.5
Fe ppm 100以下
比重 20℃ 1.33±0.01
Cl % 8.1±1.0
pH 1w/v%
(20℃)
4.7±0.2
凝固温度 -7

特徴

  • 水溶性の状態で、高いアルミニウム濃度(Al2O3として20%以上)が得られます。
  • アルミニウム正塩よりpHが高く、皮フに対する刺激は少なくなります。
  • 分子中の酸イオンの割合がアルミニウム正塩に比べ少ないため、反応原料として水酸化アルミニウム、アルミナ等の製造に用いますと副生する陰イオン塩類も少なく、又直接熱分解した場合の廃ガスの発生も少なくなります。
  • アルミニウムイオンの重縮合が進み多核錯体となっているため、アルミニウムモノマーイオンより高いプラスの電荷を有しています。
  • 架橋性を有しており、高分子化が進んだ場合、安定なゾル又はゲルを作ります。
  • 貯蔵安定性が良く、特にアルファイン83は長期安定です。
  • 希釈安定性が良好です。

主な用途

「アルファイン」は純度が高く、品質も安定しているため、各種アルミニウム化合物の原料をはじめとしてファインケミカル分野に広く用いられています。

  • セラミックス
    高濃度のアルミナ分を含み安定な液体性状ですので、各種アルミナ、ムライト、スピネル、窒化アルミニウム等のセラミックス、セラミックス繊維のアルミナ源として使用されています。
  • セラミックスバインダー
    熱分解によりアルミナ(Al2O3)となるので、各種アルミナ系耐火物のバインダーとして用いられます。また、良好な液体特性と粘結性を持ち、セラミックス繊維を用いた耐火物の断熱施工や、FRC等複合材料の結合剤として使用されます。
  • 医薬品、化粧品原料
    アルミニウムイオンはタンパク質を収れんする作用を持っているので、汗腺を締める制汗剤やひげ剃り後のアストリンゼント等に使用されます。塩基性塩ですので、塩化アルミニウム等の通常のアルミニウム塩に比べ皮フに対する刺激がソフトです。また制酸剤の原料としても使用されます。
  • 皮なめし
    アルミニウムイオンのタンパク質への収れん作用により皮フ組織を緻密化するので、クロムなめし、タンニンなめしと共に皮なめしに使用されます。アルミニウムイオンは材料を着色しないので、白、ピンク等淡色系の皮なめしに有効です。
  • 染色助剤
    アルミニウムイオンは染料と反応して水不溶性のレーキを生成するので、染料を繊維等に固定するために用いられます。
  • 製紙用サイズ定着剤
    ロジン等のサイズ剤をセルロース繊維に固定するためのサイジング剤として用いられます。アルファインは硫酸アルミニウムに比べ少ない薬剤量で定着でき、紙質のpH降下も少ないので紙の品質向上が期待できます。
  • 触媒原料
    担体用アルミナ源として、またゼオライト等の結合剤として用いられます。
  • 顔料、充填剤等の表面改質剤
    アルミニウムレーキ皮膜の生成や塗膜の不溶化による耐水性付与など種々材料の表面改質に用いられます。

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